「毎月借金」「心のケアを」 コロナで疲労や負担蓄積 沖縄県民アンケート


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 新型コロナウイルス感染症流行後の生活の変化を聞くため、琉球新報はおきなわこども未来ランチサポート(実施主体・琉球新報社、おとなワンサード、日本郵便沖縄支社)と2020年12月にインターネット上でアンケートを実施した。

 アンケートの自由記述には収入減少による厳しい暮らしの現状や子育てに関わる悩み、感染への不安など、切実な声が多数寄せられた。

 多くの人が収入が減る中「自分は減収だが世帯主は変わらず、保育料の減額もない。毎月赤字で借金が増える」(30代女性)、「お金を助けてほしい。今すぐにでも」(40代女性、自営業)、「給付金を再度出してほしい」(20代女性、宿泊・飲食)などの訴えが並んだ。30代男性は「就職活動が予想以上に厳しい」と指摘した。

 子育て層からは「ボーナスや給料も減って保育料や食費のやりくりが苦しい。どんなことでもいいので沖縄独自の子育て支援を考えてほしい」(20代女性)といった経済面の支援のほか、「学校行事も縮小され授業はハイペース。休み時間の活動も制限され、子どもが情緒不安定だったが、親は仕事を休めず心のケアまで行き届かない」(30代女性)といった精神面への懸念もあった。「感染が心配で祖父母に孫の送迎を頼めなくなった」(40代女性、医療・福祉)との声もあった。

 政府の「GoToキャンペーン」には「感染対策と矛盾する」「不公平だし、医療や飲食業支援に予算を使ってほしい」など見直しを求める声も多かった。

 感染対策に日々気を遣って働く一方、「夜の町で働いているが店の感染予防意識が甘すぎ。感染しても地獄、仕事をやめても地獄」(40代女性)と苦しい中で勤務する状況も。

 「基礎疾患のある母の面倒を見ながらフルタイムで働いている。自分が感染したら母の世話をどこに相談したらいいのか」(50代女性)と残された家族を心配する声は5月の前回調査と変わらずあった。

 「感染しないか、うつさないか不安」(20代男子学生)など感染への恐怖感に加えて「誰とも会えず孤独。オンラインでは足りない」(30代女性、正規医療・福祉)、「外出や外食ができず家事負担が増えた」(50代女性)と、コロナ禍が続く中で、疲労や負担を訴える声も多かった。


調査の方法

 調査は2020年12月2~13日、コロナ前と比較した所得や勤務時間の変化、生活上の困りごとや必要なもの、心理状態などをインターネット上のアンケートフォームで答えてもらった。琉球新報の記事や公式SNSで広く回答を呼び掛けたほか、食料支援を行う「おきなわ子ども未来ランチサポート」の食材配布時などに利用者に回答を呼び掛けた。県内からの有効回答は226件だった。


主な質問項目

■新型コロナウイルス感染症の影響が出る前、あなたの1カ月の手取り所得額はいくらでしたか。

■新型コロナウイルス感染症の流行前に比べて、あなたの1カ月の手取りの所得額は変わりましたか。

■新型コロナウイルス感染症の影響で、あなたの働く日数や時間は変わりましたか。

■あなたやあなたの家族は今、どのようなことに困っていますか。

■あなたやあなたの家族にとって、今とても必要なものは何ですか。

■あなたの心の状態について、過去30日の間にどれくらいの頻度で次のことがありましたか。▽神経過敏に感じた▽絶望的だと感じた―など。

■新型コロナ流行後、ランチサポートなどの食料支援を利用したことがありますか。