オリオンビール(豊見城市、早瀬京鋳社長)が、3月下旬に新たなジャンルのブランドとして、フルーツの風味が付いたアルコール入り炭酸水「ハードセルツァー」を発売することが分かった。アルコール度数は2%と低めの設定で、糖類を用いず、甘味を抑えたジャンル。20~30代の、特に男性をメインターゲットとしている。
ハードセルツァーは近年、健康志向を捉えて米国などで拡大している。関係者によると、国内大手酒造メーカーでは、オリオンビールが初めて手掛けるという。
オリオンは、シークヮーサーなど3種類を3月下旬に発売する。県産月桃などを原料としたエキスを使用することで、飲みやすさと本格感の両立を図る。酒販店などには、想定販売価格として1本当たり税別180~199円程度を提案しているという。
早瀬社長は3日の初荷式で、新たなカテゴリーの新ブランドを展開する方針を表明し、「酒類販売全体が減少傾向にあるが、若い人を含め、新しい需要を取りにいく」と話していた。
セルツァー(Seltzer)は、英語で炭酸水を意味する。サトウキビ由来のアルコールを用いたハードセルツァーは、低カロリーで、食物アレルギーの原因物質でもあるタンパク質の一種、グルテンを含まない。
米国では2019年の市場規模が前年比3倍以上に急成長しているという。世界的なビールブランドのほか、米コカ・コーラも昨年9月、同ジャンル商品で38年ぶりにアルコール事業に再参入することを発表している。