夢は兄弟プロ野球選手 兄は四国リーグ・徳島 弟はコルトリーグで全国優勝


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兄弟でプロ入りを目指す(左から)兄の上原敦己さんと律己さん=13日、那覇市内

 【宜野湾・那覇】プロ野球選手の夢を兄弟で実現しようと取り組む2人がいる。兄の上原敦己さん(20)=古蔵中(沖縄ダイヤモンドBC)―熊本・秀岳館高出=と、弟の律己さん(15)=城岳小―嘉数中3年(沖縄中央ポニー)=だ。敦己さんは独立リーグ、四国アイランドリーグの強豪・徳島インディゴソックスで腕を磨き、律己さんは昨年12月に福岡県で行われた全日本コルトリーグ中学野球選手権大会で優勝するなど実績を残してきた。互いを良き先輩、後輩、または好敵手として意識し合い、夢の実現に向け歩んでいる。

 内野手の敦己さんは甲子園を目指し、熊本の秀岳館高に進学した。2年の選抜高校野球大会は、ベンチ入りを果たすなどの実績を積み、2019年に徳島に入団した。スポーツトレーナーになるため進学も考えたが「全力でプレーし終えた後からでもトレーナーの道は遅くない」と決意したという。

 チームは昨年リーグ2連覇を果たした上、8年連続でプロ野球選手も輩出する。3年目の敦己さんは「課題は打撃。長打をもっと打てるようにならないとプロでは通用しない」とパワーを生かした打撃でさらなる成長を誓う。

 弟の律己さんは、父・正吾さんが監督を務める沖縄中央ポニーで投手として活躍する。昨年12月の全日本コルトリーグ決勝戦で先発登板し、勝負球の切れのあるスライダーを武器にコースを突いた丁寧な投球で、六回途中までを投げ抜いた。大会では自己最速を3キロ上回る131キロをマークする勝負強さも兼ね備える。

 敦己さんが選抜大会でベンチ入りした際は、甲子園球場に応援に駆け付けたといい、自身も「甲子園で投げてみたい。一日でも早くエースとして投げたい」と4月から、日本ウェルネス高で腕を磨く予定だ。ポジションは違えど、敦己さんが帰省した際には打撃について教えてもらうとし「打撃は苦手だけど、長打も打てる投手になりたい」と投打での貢献を夢に、共に汗を流している。
 (上江洲真梨子)