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【北部】2026年度に開院を計画している公立北部医療センター(北部基幹病院)に、がん治療に特化した「腫瘍内科」と「放射線治療科」が新設される基本構想(素案)が27日示された。放射線治療ができる医療施設は名護市以北にはなく、北部住民はこれまでに中南部の医療施設を利用することが多かった。北部の医療関係者は2科の新設で「がん治療が北部で完結する」と意義を強調した。北部では休診中の脳神経外科設置も提案され、期待も広がる。
名護市に県立北部病院と北部地区医師会病院が存在する現体制で、がん治療は現在、主に医師会病院の内科などが担ってきた。2科の新設で手術、薬物療法、放射線治療を組み合わせて効率のよい治療につながる。北部地区医師会の稲嶺盛嗣事務局長は「診療科目が拡大し、専門の医師が集まる。北部での医療完結につながる」と歓迎した。
北部地域で稼働中の病院がない脳神経外科についても、新病院では設置される方針だ。同科は北部医師会病院では2009年に閉鎖し、県立北部病院では19年秋ごろに一般外来を休止した。脳疾患への救急対応は、処置が遅れるほど後遺症の重度化も指摘されている。救急搬送の時間が長引くことに、北部の住民や医療関係者から不安を訴える声も多かった。
27日の整備協議会で新病院の設置科目が示され、関係者は、がん治療や脳神経外科などの安定的な運営を期待する。新病院の設置について北部地区医師会の宮里達也理事は「よい病院があれば医師の関心が強くなり、脳神経外科の医療人材の確保につながる」と期待した。北部市町村会会長の當眞淳宜野座村長は「診療科目が加わることで、医療体制が充実し、住民の選択も広がる」と語った。