「コロナに覆われたよう」「感染爆発だ」…宮古島市、目抜き通りはシャッター通りに


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人通りがなくなった西里大通り=28日夜、宮古島市平良

 【宮古島】宮古島市では28日、1日の感染者として過去最多の35人の新型コロナウイルス感染が確認された。連日、感染者数が最多を更新しており、市民からは「もはや拡大ではなく感染爆発だ」「島中がコロナに覆われているようだ」など不安の声が漏れる。公共施設や公園が封鎖され、学校も休校となった。飲食店は休業し、島の目抜き通りはシャッター通りに変貌した。

 28日午後8時、宮古島市平良の西里大通りは静寂に包まれていた。土産物店や飲食店が軒を連ね、普段は観光客や地元の酔客でにぎわいを見せる。この日は人の姿はなく、シャッターを下ろして「休業」の張り紙をした店舗が多い。

 市内80店舗が加盟する宮古島社交飲食業生活衛生組合は、26日の市独自の緊急事態宣言を受けて全組合員に休業要請を出した。奥平玄信組合長は「9割以上の加盟店が応じてくれた」と話す。「酒が入ると緊張感がなくなる。今は提供できない。我慢だ。コロナを封じるまで店も客もみんなで協力するしかない」と語った。

 学校では子どもたちの姿が消えた。小学校の近くに住む70代の女性は「休み時間の子どもたちの歓声を聞くのが楽しみだった。島がコロナに覆われたみたいで怖い」とつぶやく。保護者からは子どもの居場所確保に不安の声も上がる。小学生2人の子どもを持つ30代の女性は「夫婦共に仕事をしている。子どもには外出するなと言うが限度もある。とにかく早く収まってほしい」と願った。

 市内の公園はロープなどで封鎖された。散歩に来た70代の男性は、利用禁止を知らせる張り紙を見て引き返した。「(宮古)病院も外来を休止してまでコロナの対応をしている。このまま何十人も出続けたら島は崩壊だ。もう感染拡大どころではなくて感染爆発だよ」とため息をついた。