「訓練で自衛隊が米軍の手足に」 市民らが抗議の声 沖縄県が自粛要請の日米共同訓練


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上陸訓練をする米軍のホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)や装甲車=28日午前11時26分ごろ、金武町のブルービーチ訓練場

 【金武】金武町の米軍ブルービーチ訓練場などで28日に始まった日米共同訓練。同日、自衛隊の参加は確認されなかったが、米海軍のホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)などが上陸訓練を繰り返した。共同訓練に参加する陸上自衛隊の「水陸機動団」は辺野古新基地への常駐計画が報道されており、市民からは「訓練は、自衛隊が米軍の手足になることにつながる」と抗議の声も上がった。

 28日午前、LCACはごう音と水しぶきを上げながら海上からブルービーチ訓練場に近づき、浜に乗り上げた。砂煙を上げながら停止し、船体前後のドアが開いて戦闘車両や米兵らが上陸した。排ガスとともに姿を現した装甲車の砲塔には、機関砲が取り付けられていた。

 訓練場内の発着場では海兵隊のCH53E大型輸送ヘリが複数回離着陸し、周辺を旋回。米兵らは小型ゴムボートを使った上陸訓練も実施した。約20隻のボートに数人ずつ分乗し、浜から沖合に出て、再上陸した。

 28日午後、同町の米軍キャンプ・ハンセンゲート前では市民有志らが訓練中止を訴えた。市民たちは「県民は合同訓練を望まない」などと書かれたプラカードを掲げ、基地を出入りする車などにアピールした。沖縄平和運動センターの山城博治議長は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた県独自の緊急事態宣言下での訓練実施に「せめてコロナが収まるまではやめてほしい」と求めた。