包括業務提携を発表した琉球銀行と沖縄銀行は、県内金融機関でトップシェアを誇る。2行は、企業規模や直近の業績が近いことから「しのぎを削ってきた」(沖銀・山城頭取)というライバル関係にある。
2020年9月の中間決算で、貸出金(平均残高)は琉銀が1兆7466億円、沖銀が1兆6632億円、預金平均残高は琉銀が2兆4013億円、沖銀が2兆2370億円とほぼ同規模。県内関係者によると、沖縄振興開発金融公庫も含めて、県内の融資量の約6割を両行で占めるという。
店舗数と銀行単体の従業員数は、琉銀が76店で1376人、沖銀が65店で1189人。近年は両行とも、一つの店舗に複数の支店が営業するブランチインブランチを増やすなど、コスト削減に取り組んでいる。
【琉球銀行】
1948年5月、琉球列島米国軍政府布令によって通貨発行権などを持つ中央銀行的な性格の強い銀行として創立した。日本復帰後の83年に、県内企業として初の株式上場を果たした。バブル崩壊の余波を受け99年に公的資金400億円を注入され2010年に完済した。
【沖縄銀行】
戦後復興期に商業銀行設立への社会的要請の高まりを受け、1956年7月に創立。復帰前に三和相互銀行の営業を譲り受けたのを皮切りに、東洋相互銀行、南洋相互銀行などを相次いで合併・吸収した。89年に東証一部に上場。おきぎん証券などをグループ企業に擁する。