有機フッ素化合物検出で普天間飛行場立ち入りを要請 松川宜野湾市長


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 【宜野湾】米軍普天間飛行場周辺の湧き水から高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題で、松川正則宜野湾市長は29日、那覇市の外務省沖縄事務所に橋本尚文大使、嘉手納町の沖縄防衛局に田中利則局長を訪ね、原因究明などに向けて基地内立ち入り調査の実現を求めた。両者とも本省に市の要請内容を伝え、対応する考えを示した。

 外務省沖縄事務所は要請書の手渡しのみ公開された。松川市長によると、橋本大使は「(市の)要望に沿う形で取り組んでいきたい」と話したという。防衛局は冒頭のみ公開され、田中局長は「市の皆の不安な思いなどを酌み、きちんと対応して参りたい」と述べた。

 市は21日、県にも同様に要請した。周辺の湧き水に関し、市が国や県に基地内立ち入り調査を求めるのは初めて。市は市議会で原因究明を求められていた。

 松川市長は、普天間飛行場で27日深夜から28日未明に実施された消火訓練で、市民から「恐怖を感じた」などの苦情があったことも同事務所と防衛局に伝えたという。米軍は訓練でPFASが含まれる泡消火剤ではなく、水を使用すると説明した。