島の娘は島と共に…「安里屋ユンタ」原曲の主人公クヤマの物語で新曲


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CDをPRする(左から)島山信和さん、澤井毎里子さん=1月20日、沖縄市のFMコザ

【沖縄】「安里屋ユンタ」の原曲「安里屋クヤマ」を基にした新曲「南の島のクヤマ」を琉球横笛奏者で歌手の澤井毎里子さんが3日に発売する。

 クヤマは1722年八重山諸島の竹富島「安里屋」に生まれた絶世の美女で、16歳の時に首里の王府から派遣されて来た目差主(みざししゅ・下級役人)がクヤマに一目ぼれし、賄い方(旅妻・現地妻)になってほしいと求められる物語を歌にした作品。田植え歌などで歌う労働歌が原曲となっている。

 1934年に星克が作詞、宮良長包が作曲した「安里屋ユンタ」が広く知られているが、クヤマの心情や澤井さんの解釈により「島の娘は島と共に、愛する人と共に白髪まで」という思いを想像しオリジナルで書き下ろした作品。

 澤井さんは「安里屋ユンタは知られているが、クヤマの思いやストーリーを分かりやすい詩にした。島の繁栄を願い気持ちを込めて作った曲なのでぜひ、聞いてほしい」とPRした。

CD「南の島のクヤマ」

 クヤマの編曲とカップリングの曲「ぐそーのうた」を作曲したギタリストの島山信和さんは「いつでも見守ってくれる沖縄の死生観は素晴らしい。先祖を大事にする感覚をイメージして作曲した」と話した。

 CDは1200円(税込み)で、https://sawaimariko.stores.jp/ から購入可能。またCD発売記念ライブと配信ライブが28日午後6時からミュージックタウン音市場ホワイエで開催予定。 (喜納高宏通信員)