雨の日の登校、子どもたちに傘貸します 首里当蔵自治会の取り組み


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傘の利用を呼び掛ける(左から)首里当蔵町自治会の仲本久美子自治会長、座波嘉一さん、仲地宗幸さん=1月12日、那覇市首里当蔵町

 【那覇】那覇市の首里当蔵町自治会はこのほど、雨の日に傘を持たずに登校する児童生徒に、傘を貸す取り組みを始めた。登校時の見守り活動をしている仲地宗幸さんは「傘を貸すだけでなく声を掛けることに意味がある。『大人たちが自分を見てくれている』ということが子どもたちの安心感につながるといい」と話す。

 仲地さんが1月上旬、かっぱの隙間から雨が入り泣いていた児童に傘を貸したことがきっかけ。通学路で見守りをする大人たちが傘を持っていない児童生徒に貸し、後で当蔵公民館に返却する仕組みだ。

 傘は琉球新報城西販売店が提供した。同販売店は以前から地域の店舗に傘を置き、お客さんらに貸す取り組みをしている。

 仲地さんは「中高生は貸そうとしても遠慮するが、この活動を通じて(周囲に)甘えられる地域文化ができるといい。傘を貸すことで顔見知りになり、緩い関係性が広がることが地域の力につながる」と期待した。