緊急宣言で「飲食」による感染大幅減 1日当たりゼロになった市も 一方で宮古島は333%増


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 県は2日、県独自の緊急事態宣言で飲食店などに午後8時までの営業を求めた1月22日以降、飲食による新型コロナウイルス感染者は、時短要請前と比べて宮古島市以外で大幅に減ったとのデータを公表した。宜野湾市と石垣市で100%減少した一方、宮古島市では家飲みなどが原因で333%増加した。宣言後は繁華街の人出も大幅に減少した。県の糸数公保健衛生統括監は「効果は出ている」とする一方、若い世代から高齢者に感染が広がり、医療など県全体の指標には改善が見られないと強調した。

 宮古島は急激増加

 県は感染が拡大した12月以降、那覇市などで午後10時までの営業を求めた。その後、名護市や宜野湾市、石垣市と宮古島市に拡大。緊急事態宣言で1月22日から県内全市町村で午後8時までの営業を求めている。

 県によると、飲食による1日当たりの平均感染者数は、時短開始前の11月22日~12月16日、那覇市で3・44人、浦添市で1・4人、沖縄市で0・88人だったが、緊急事態宣言後の1月22日~30日は、那覇市で1・44人、浦添市で0・44人、沖縄市で0・56人となった。那覇市で58%減、浦添市で68%減、沖縄市で37%減少した。

 名護市では、12月25日から午後10時の時短を開始したが、時短要請前と緊急事態宣言後を比べると、飲食関係の1日当たりの感染者は71%減った。宜野湾市では時短要請前は0・42人、石垣市は時短前は1・28人だったが、宣言後はいずれもゼロとなった。一方、宮古島市は333%増となった。県は、宮古島市の増加は、自宅や友人宅などで集まる家飲みが要因としている。

 県内の繁華街エリアでも人出が減少した。12月第1週の金曜日と土曜日の午後9時時点と、緊急事態宣言後の同時間帯の人出を比べると、石垣市の美崎町周辺で76・4%減、名護市のみどり街周辺で56・2%減、那覇市久茂地周辺で50・1%減などとなった。糸数統括監は「午後10時までの時短要請でも人の動きが抑制されたが、宣言の後はさらに抑制の幅が大きくなった。午後8時までのほうが効果が見られる」と述べ、緊急事態宣言で効果が上がったとの見方を示した。