竹富島の民話「木々の由来」手作りの紙芝居を広めたい 出版資金を募る


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民話「木々の由来」の紙芝居を手にする池田欽吾さん(右)と高江洲春子さん=1月18日、嘉手納町総合福祉センター

 【中部】八重山の竹富町に伝わる民話「木々の由来」を基に紙芝居を出版し沖縄県内各地で広めるため、嘉手納町の高江洲春子さん(83)と沖縄市の池田欽吾さん(60)=宜野湾市政策参与=が資金を募っている。沖縄特有の木々を紹介する絵本を通し、小学校低学年の子どもたちに自然の大切さなどを伝えることが狙いだ。

 「木々の由来」は、八重山の島々をつくった神様がフクギや松、桑などに対し、人や自然のためになる役割や生える場所を決める話だ。保育所で働いていた高江洲さんが、子ども時代に木々と親しんだ記憶から内容を気に入った。2012年当時、沖縄防衛局職員で生け花講師の池田さんを誘い、紙芝居の講座に通った。

 2人で作成の構想を温め、昨年10月までに紙芝居用の脚本を執筆。見本用の画は池田さんが12色の鉛筆で描いた。読み聞かせは標準語のほか、島言葉や英語も想定する。高江洲さんは既に、見本を用いて町内の小中学校などで紙芝居を実施している。池田さんは、紙芝居に登場する木々を使った飾り花の実演もする。

「木々の由来」の紙芝居

 高江洲さんは「子どもたちは知っている木々の話をすると喜ぶ。紙芝居を通し島言葉も大切にしたい」と意気込む。池田さんは「子どもたちには、木々に守られていることを知ってほしい」と力を込めた。

 1月18日は町総合福祉センターであったデイサービスで、島言葉による紙芝居と飾り花の披露があった。鑑賞した沢岻弘子さん(79)=同町=は「どちらも初めて見たが、とても良かった」と話した。正式な紙芝居作成と活動に向けた予算は百数十万円を予定している。企業は1口1万円、個人は同千円以上。振り込み口座は、琉球銀行普天間支店 普通口座691141(名義は池田さん)。