女性蔑視「許しがたい」 森氏発言 県議会、与野党とも批判


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 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言したことについて、県議会与野党は共通して「許しがたい」「言語道断だ」などと非難した。一方、反発の強弱や辞任に対する考えには濃淡があった。

 与党最大会派の沖縄・平和の仲村未央代表は「公然と女性を侮蔑(ぶべつ)し、組織の長にあるまじき発言だ。総理を務めた人の発言で、一層許しがたい。共生社会に取り組む全ての人々の努力をおとしめるものだ」と厳しく指摘。「政府は毅然(きぜん)と抗議し、日本が女性蔑視に寛容ではないことを示すべきだ。五輪・パラリンピックホスト国の組織委員長がこのまま役職を続ければ、日本の姿勢が疑われる」と辞任を求めた。

 野党の中川京貴自民党県連会長は「森会長の発言は不適切だった。全国民が新型コロナウイルスで苦しんでいて東京五輪・パラリンピックの成功に向けて取り組んでいる中、残念でならない」と述べた上で「引き続き五輪・パラリンピックの成功に向けて国民と一丸となって頑張っていきたい」と語った。辞任については「委員会の中で決めることだ」と述べるにとどめた。

 中立会派からも批判の声が上がった。公明党の金城勉県本代表は「範を示すべき立場にある人が女性を蔑視する発言は信頼を損ねる。世界的に注目される五輪の代表としてあるまじきことだ」と糾弾。謝罪会見について「五輪憲章に反すると謝っていたが、一番の問題は女性の人権に対する配慮が全くないことだ。(辞任など)責任問題については本人が判断するべきだ」と述べた。

 無所属の会の當間盛夫代表は「大事な五輪大会のトップで元総理でもある立場からすると、発言は慎重にすべきだ。女性を蔑視または軽視するような発言は言語道断だ」と批判した。