小型焼却炉「チリメーサー」を開発するトマス技術研究所(うるま市、福富健仁社長)が、ソファやベッドのような大型の家具を解体せずに焼却できる「ファニチャーチリメーサー」を開発した。家具販売の中城モール(中城村、山城千恵子代表)の依頼に応え、1日に設置した。
中城モールは昨年1月、家具購入者を対象に、古い家具を無料で引き取るサービスを開始した。コロナ禍の巣ごもり需要を捉えて、売り上げは前年を上回っているという。引き取った家具の処理は障がい者支援事業として業務委託しているが、解体に手間が掛かるため、丸ごと焼却できる焼却炉の開発をトマス技研に相談したという。
従来のチリメーサーは、離島で海岸漂着ごみの焼却に用いることなどを想定して小型化し、高さ45センチ、横70センチ、奥行き70センチだった。これを炉内に大型の家具を立てて入れるため、高さ2メートル、横1メートルに拡大した。奥行きは49センチで縦長の形状。
炉は立方体に近い方が燃焼効率は良いが、熱流動の新技術を取り入れることで、従来型と同程度の燃焼効率を実現した。
中城モールの山城代表は「(炉を)大きくしてほしいという要望にすぐ応じてくれた。作業の負担がかなり軽減されると期待している」と話した。