卓球Tリーグで男子首位の琉球アスティーダは6日、宜野湾市立体育館でT.T彩たまと対戦し、3―2の逆転勝利で15勝目(3敗)を挙げ、今季2位以内を確定させてファイナル進出を決めた。0―2からの劣勢をはねのけ、ビクトリーマッチで吉村真晴が13―11で英田理志に競り勝った。第1マッチダブルスは木造勇人・吉村和弘が1―2で松山祐季・曽根翔に敗れた。第2マッチシングルスは村松雄斗が0―3で神巧也にストレート負け。第3マッチシングルスは吉村真が3―2で英田を接戦の末に破った。第4マッチシングルスは木造が3―0で松平健太に粘り勝ちし、ビクトリーマッチにつなげた。観客は312人。次戦は7日、同体育館で岡山リベッツと戦う。女子は日本生命が神奈川に3―2で勝ち、両チームのファイナル進出が決定した。
起死回生の突破口 吉村真晴
頼れる主将の吉村真晴が勝負を決めた。1ゲームで勝敗を決める最終ビクトリーマッチ。互いに譲らず一進一退の攻防が続いた。10―10とジュースにもつれた後、リードされながらも追い付き、最後は連続得点で大黒柱の役目を果たした。「久々に大事な場面を任され、素晴らしい結果を届けることができた」と歓喜。「まだ手が震えている」と興奮冷めやらぬ様子でホームのファンの応援に感謝した。
起死回生の逆転劇の幕開けも吉村からだった。チームは複単を落とし、追い込まれる。第3単で英田と熱闘を繰り広げ、粘り勝ち。最終5マッチも英田との対戦で、勝負勘を研ぎ澄ませながら臨んだ。「下回転系のサーブで攻めてチキータを打たせ、その球を狙いにいった」と駆け引きで勝った。
今季、いかなる窮地にも最後まであきらめない姿を見せ、メンタルの強さをファンの目に焼き付けている。直近のホーム4戦はシングルスで負けなし。この日もきら星のごとく輝きを放った。
茨城出身の27歳は「五輪代表の落選で家族との時間が増え、生活の面で充実感が増した」と躍動の理由を挙げた。「負けても勝っても全力で戦えている。楽しい卓球ができていて小学生のような気持ち」と心身の充実ぶりを語った。
ファイナルに向け「昨季は試合がなくなり悔しい思いをした。チームがいい状態で臨めるように準備していく」と闘志を燃やした。
(大城三太)
木造 気迫の粘り 第4単奪取
第4単の木造勇人が、ダブルスでの負けを取り戻すように踏ん張った。第1ゲームから気合十分で臨んだが逆に力みとなり、3―7と出だしでつまずいた。「主将がいい試合をしてつないでくれたので、情けない試合にしたくなかった」と、ここから圧巻の6連続得点で盛り返した。
最後は追い付かれてのジュースから、ここぞの粘り強さを発揮し、ゲームを奪った。「これで勢いに乗れた」とストレート勝利し、第5マッチへとつないだ。
今季は吉村和弘とのダブルスで勝利を重ねて貢献している。ファイナル進出の懸かった大一番で結果を出し「自分自身も成長できた」と胸を張った。