吉武、全種目で大会新V 重量挙げ全日本ジュニア 有言実行の更新


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 重量挙げの第41回全日本ジュニア選手権第2日は6日、山梨市民総合体育館で行われ、女子76キロ級の吉武温子(那覇国際高―早稲田大)がスナッチ92キロ、ジャーク114キロのトータル206キロを挙げ、全種目大会新で優勝した。

 同87キロ級の仲宗根夢来(本部高)はスナッチ85キロ、ジャーク95キロのトータル180キロでいずれも大会タイ記録で1位だった。

 男子96キロ級の比嘉力(同)は、トータル279キロで4位入賞した。


<ロッカールーム>「練習不足」でも切り替え前へ

女子76キロ級の全種目で大会記録を更新し、優勝を決めた吉武温子(提供)

 

 女子76キロ級の吉武温子(早大)が、全種目で大会記録を更新して頂点に立った。スナッチは1キロ上回る92キロ、ジャークは4キロ更新の114キロと、公式戦自己ベストもすべて塗り替える好成績だった。昨年12月から励む、下半身を中心とした筋力トレーニングの手応えもあったようで「本格的な練習が2月に入ってからだったので、それを考えると満足できる結果」と納得している様子だった。

 

 昨年11月の全日本学生個人選手権で出したベストのトータル201キロ(スナッチ91キロ、ジャーク110キロ)の更新を掲げ有言実行した。世界ジュニア選手権への出場も見据え、成功させれば出場の可能性も見えてくるというジャーク116キロは「練習不足だった」と膝から崩れ落ちて失敗となった。

 

 それでも、落ち込むことなく「大幅な重量アップに対応できるよう、日頃から高重量での練習を計画的に行っていきたい」と気持ちを切り替え、さらなる記録更新に挑む。
 


比嘉(男子96キロ) 成長の4位

男子96キロ級で4位入賞の比嘉力(提供)

 96キロ級の比嘉力(本部高)が着実な成長ぶりを見せた。ジャークで自己ベストを3キロ上回る153キロをたたき出した。大学生も交じっての大会で底力を発揮し「素直にうれしい」と喜んだ。

 

一方で、トータルは3位に1キロ及ばず、表彰台を逃した。バーベルを胸まで持ち上げた後のクリーンで「もっと足幅を縮めて立つことができれば、記録はもっと伸びる」とフォーム改善を掲げた。次は3月に石川県で開かれる全国選抜に出場予定。「(沖縄工高の)棚原幹勝らと共に沖縄が強いということを証明したい」と意気込んだ。


全て大会タイ 仲宗根が頂点 女子87キロ級

女子87キロ級で1位となった仲宗根夢来(提供)

 女子87キロ級の仲宗根夢来(本部高)は、スナッチ90キロ、ジャーク100キロ以上の自己記録更新を目標に挑んだ。大会前から調子が良かったというジャークは、大会タイの95キロをやすやすと成功させると、最終試技は申告した数字を5キロ重い101キロに変更して挑戦。自己ベストを念頭に比嘉敏彦監督から「やるなら101キロに挑戦してみたら」と助言を受けて臨んだが途中でバーベルを落下させてしまった。
 

「練習不足で、まだ重さに慣れていない」。全種目でタイ記録となったが、納得のいく内容とまではいかなかった。3月の全国高校選抜までに「きょうの反省を直し、優勝する」とバーベルの下に体を入れるタイミングや足の動かし方を修正し、頂点を狙う。

 【男子】
▽96キロ級 (1)田宮(法政大)トータル320=大会新(スナッチ145=大会新、ジャーク175=大会新)(4)比嘉力(本部高)279(126、153)

 【女子】
▽76キロ級 (1)吉武温子(早稲田大)206=大会新(92=大会新、114=大会新)
▽87キロ級 (1)仲宗根夢来(本部高)180=大会タイ(85=大会タイ、95=大会タイ)