1月にエジプトで開催されたハンドボール男子の第27回世界選手権で19位に入った日本代表の司令塔を務めた東江雄斗(興南高―早大出、大同特殊鋼)が6日までにオンラインで本紙のインタビューに応じた。日本は熊本大会以来24年ぶり2度目の1次リーグを突破。2年前は1勝もできなかったが、今回は2勝を挙げた。コロナ禍で国際試合が難しい中、優勝したデンマークなど強豪とのゲームで得がたい経験も積んだ。「最後まで食らいつけるようになっている。そこは成長を感じる」と振り返った。開催国枠で出場する東京五輪まで半年を切り「強豪国にチャレンジして勝つことを目標にやっていきたい」と決意を新たに意気込みを語った。 (聞き手・謝花史哲)
強豪国に「最後まで食らいつける」「経験値上がり、メンタルにも余裕」
Q:現在の心境は。
「1年延期になり当初はモチベーションをどうもっていこうかと、メンタル的な悩みもあったが、延期をプラスに捉えて自分の成長につなげようとやってきた。(結果的に)世界選手権がオリンピック前に行われ、大舞台を前にいい経験ができたと感じている」
Q:世界選手権での手応えは。
「勝負どころでそれなりのゲームメークができていた。国際試合もたくさんして経験値も上がってきて、メンタル的にも前回の選手権より余裕が出てきた。試合での選択肢も多く持てた。それを余裕を持って判断できたのは大きな自信につながった」
Q:ベストの試合は。
「最終戦のバーレーン戦。個人的にもゲームメークする上で良かった。周りのプレーヤーの活躍で、1人2人を引きつけてパスをさばくという役割を徹底するだけだった。ほかの選手を活躍させることができれば自分の負担が減り、余裕を持ってゲーム運びができると実感した」
Q:全体を振り返って。
「いつも前半いい勝負して後半の大事なところで、ちょっと行き詰まり、リードしていてもすぐ逆転されて5、6点差開いて負けちゃうケースだったが、今回は追い付かれても失速することなく、チーム一丸となって盛り返し食らいつけた。最後の最後で勝負が分かれるという展開ができたのは本当に成長している」
Q:さらに上をいくために必要なことは。
「選手一人一人の個のレベルを上げていくのは絶対条件。強豪国ともいい試合ができ、本当に終盤までどっちが勝つか分からないゲームもできてきている。その中で最後は勝ち切るところまで、全ての能力を出していかないとけない」
Q:東京五輪の目標は。
「強豪国にチャレンジして勝つこと。ベスト8を目標にやりたい。強豪国にチャレンジして勝つということが目指すところになる」
Q:沖縄の中高生プレーヤーやファンにメッセージを。
「一つのことにずっと夢中になることが今の自分の結果につながっている。何か小さなことでも一つ夢中になることを究めて楽しんでくれたらと思う。今は沖縄を離れ活躍の場を移しているが、目を向けて応援してほしい」