「まごころチケット」で支援の輪 賛同者が購入、利用者はおにぎりに交換


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「同様の取り組みが広がってほしい」と語る田村忠典さん(左)と新里怜大さん=5日、南城市の「アカマル商店」

 「あなたの真心が、誰かの小さな幸せに」。田村忠典さん(22)と新里怜大さん(22)=共に那覇市=は、コロナ禍で生活が苦しい家庭や子どもたちを支援しようと、「まごころチケット」を考案し、南城市大里高平のアカマル商店の店頭で販売している。来店者が購入したチケットを店頭のボードに掲示。利用希望者はチケット1枚と、店頭で販売する肉巻きおにぎり1個を交換できる仕組みで、同級生や地元の人たちを中心に支援の輪が広がっている。

 きっかけは田村さんがタクシーに乗車した時だった。短い移動距離だったが、運転手の「乗ってくれてありがとう」という言葉が印象に残った。コロナ禍で利用客が減少している厳しい現状を聞いた。「みんなコロナで打撃を受けている。こんな時だからこそ、何かぬくもりを伝えられる行動をしたかった」

店頭に並ぶ「まごころチケット」。取り組みに賛同した来店者が購入し、利用者はチケット1枚と肉巻きおにぎり1個が交換できる

 飲食店での勤務経験を生かし、知人から作り方を教わった肉巻きおにぎりと考案した「まごころチケット」の販売を決めた。計画に賛同した新里さんと共に、知人が経営する南城市のアカマル商店の店頭を借り、今月から販売を始めている。

 販売時間は毎日午後0時半から午後6時(売り切れ次第終了)。炭火焼きの肉巻きおにぎりは1個350円(税込み)で1日30個限定。チケットは1枚200円で販売している。5日、おにぎりとチケットを購入した根間誉志輝さん(21)=那覇市=は「いい取り組みだと思う。応援したい」と笑顔で話した。

 2人は飲食店や学童で働く傍ら、同商店店頭で販売を続けている。田村さんは「今は助け合いの時。県内でも同様の取り組みが広がってほしい」。新里さんは「コロナ禍で苦しむ人の支援につながればうれしい」とそれぞれ思いを寄せた。問い合わせは田村さん(電話)080(6481)5699。
 (吉田早希)