県内休廃業・解散461件 20年・帝国データ調査 前年比8.2%増


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 帝国データバンク沖縄支店は8日、2020年の県内企業の休廃業・解散が前年比8.2%増の461件となり、2年ぶりに増加したと発表した。前年からの増加率は、徳島県の9.3%に次いで全国で2番目の高さとなった。休廃業・解散によって失われた正規雇用は1162人、売上高は181億円だった。

 増加率全国2番目

 全国で休廃業・解散が前年より増加したのは沖縄を含め8県だった。

 同支店の担当者は「他地域は過疎化によって元々廃業が多かったが、新型コロナウイルスへの支援があり減少した面がある。沖縄は景況が良かったが、コロナ禍で観光需要がなくなり、後継者不在率の高さなどの要因も重なって休廃業が増えた」と分析した。

 休廃業・解散した461件のうち54社は利益が判明しており、直近期の決算が黒字だった企業は66.7%の36社、赤字の企業は33.3%の18社だった。コロナ禍の影響が直撃するまでは比較的好調だったことがうかがえる。

 業種別では、宿泊や医療なども含むサービス業が22.3%(103件)で最も割合が高かった。

 業歴別では、10年以下が41.1%と最多を占め、経営が不安定なまま休廃業する企業が多い。一方で、30年以上40年未満の、業歴が比較的長い企業も15.8%あった。県内企業の後継者不在率は81.2%と全国で最も高く、創業者が高齢となったことで、事業承継難を理由とする休廃業が増加した可能性も考えられる。

 沖縄支店の集計では、20年の県内倒産件数は前年比30.8%減の27件と過去最少だった。負債を抱えて事業が行き詰まる倒産については低水準だが、担当者は「21年は業績改善の見通しが立たず、倒産や休廃業、解散を選択せざるを得ないケースが増えるとみられる」と話した。