アスティーダ 念願の頂 主将吉村真「最高のチーム」 攻め姿勢貫きMVP獲得


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琉球アスティーダ―木下マイスター東京 第3試合のシングルスで、及川(手前)にバックハンドショットを放つアスティーダの吉村真=アリーナ立川立飛

 圧巻の強さで念願のリーグ初優勝―。卓球Tリーグの琉球アスティーダは26日、東京都のアリーナ立川立飛アリーナでのプレーオフファイナルで木下マイスター東京に3―0で初優勝を決めた。第1マッチダブルスは木造勇人・吉村和弘が2―1で及川瑞基・田添健汰を退けた。第2マッチシングルスは戸上隼輔が3―2で大島祐哉との接戦に競り勝った。第3マッチシングルスは吉村真晴が3―2で及川を破ってリーグ制覇を決めた。吉村真は年間最優秀選手賞(MVP)を獲得し、賞金100万円を手にした。前期MVPに戸上が選ばれている。第3マッチで勝負が決まり、第4単の宇田幸矢と張本智和の対戦は行われなかった。今季は11月17日に開幕し、4チームが各21試合を行い、上位2チームがファイナルに進んだ。

 ファイナルの舞台でスポットライトを浴びたのは、やはりこの人だった。自ら優勝を決めた瞬間、吉村真晴はラケットを握りしめながら歓喜し、コートにしゃがみ込んだ。チームを優勝に導いた頼れる主将にチームメートが沸き立った。

 単複の2マッチ連取と最高の形でバトンを渡された第3単だった。ドイツのブンデスリーガで技術を積んだ及川瑞基と最終第5ゲームまでもつれる熱戦を展開。劣勢をはねのけるタフネスを発揮し、最後は攻めのプレーを取り戻して圧倒した。「必ず自分が優勝を決めてやるという思いでプレーした。途中で受けに回ってしまったが、第5ゲームは自分らしい卓球ができた」と持ち味を発揮し、勝利の味をかみしめた。

 ヒーローインタビューでは「1年ごしの晴れ舞台で勝つことができて幸せ。チームは仲が良く、雰囲気は最高」と話しながら、感極まる場面も。「若い戸上や宇田が加わったおかげでレギュラー争いに緊張感が生まれた」とも語ったが、もたらされた化学反応を最後に昇華させる役目も果たした。MVPの獲得について「おれだろうなと思っていた」とおどけた言葉も、嫌みなく皆が受け取った。

 昨年の開幕戦で0―4と完敗した東京にファイナルで打ち勝ってのリーグ制覇。張一博監督は「いい選手、いいチームに恵まれた。頼りがいのある主将として仕事を果たしてくれた」と全員の仕事をたたえつつ、大黒柱に敬意と感謝を伝えるのを忘れなかった。 
  (大城三太)