舞台芸能の化粧や着付の基本が1冊に 扮装法の教本が初めて発刊


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化粧についてカラーの写真とイラストで説明したページ

 玉城流玉扇福珠会会主で、玉木流琉装からじ結い二代目宗範の玉城靜江が1日、「沖縄舞台芸能の扮装(ふんそう)法教本 扮装法 女型 男型 組踊」を発刊した。沖縄の舞台芸能で用いる化粧、着付、結髪の方法を1冊にまとめた教本は初とみられる。県立芸大音楽学部音楽学科琉球芸能専攻の扮装実習で教べんを執る靜江は「芸大の皆さんをはじめ、舞台で活躍する若手にも活用してもらいたい」と話した。

 扮装法教本は全編カラーで、化粧や結髪、着付について、基本の紹介から、女型と男型それぞれの詳細な仕上げ方まで31項目、全100ページにまとめた。豊富なカラー写真を用いて手順を一つ一つ解説するほか、玉城による直筆イラストを随所に配して、写真では伝わりにくい色合いや筆の運びを伝えている。また、化粧道具や髪飾りの特徴や小道具の由来など扮装に関わる内容を広く収めた。

「沖縄舞台芸能の扮装法教本」を発刊した玉木流琉装からじ結い二代目宗範の玉城靜江(左から2人目)と玉城流玉扇会の玉城秀子二代目家元(同3人目)=1日、那覇市の琉球新報社

 玉木流琉装からじ結い初代宗範の玉木初枝は、玉城流玉扇会初代家元玉城盛義の長女として生まれ、沖縄芝居役者として活躍する一方で、琉球結髪の第一人者としてからじ結いの技術を県内外に普及させた。扮装法教本発刊には、玉木の功績を後世に伝えたいという思いも込められた。

 玉城流の玉城秀子二代目家元は「玉木初枝の指導してきた扮装法の基本をまとめてくれた。何ごとも基礎が大切。扮装法の理解が深まれば、舞台芸能の発展にもつながる」と発刊をたたえた。

 扮装法教本は5千円(税抜き)。問い合わせは同本編集担当メールtomi76975@gmail.com