辺戸岬の低空飛行は「訓練」 米軍が認める 高度や経路は回答せず


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辺戸岬をかすめるように低空飛行する米空軍のMC130J特殊作戦機とみられる機体=4日午前11時9分ごろ、国頭村の辺戸岬(嘉陽宗幸さん提供)

 【国頭】国頭村の辺戸岬周辺で4日、米軍機とみられる大型機の低空飛行が確認された件で、在沖米空軍は9日、琉球新報の取材に「4日に飛行訓練していた」と明らかにした。沖縄防衛局の照会にも米軍から同様の回答があり、同局は安全高度に関する日米合同委員会合意の順守を申し入れた。

 合同委合意では、在日米軍が日本の航空法と同様の高度基準を守ることを表記している。航空法は最低高度について、何もない場所で海面などから150メートル、市街地などでは300メートルと定める。国土地理院の地図を確認すると、辺戸岬周辺の標高は20~40メートル程度。本紙が入手した動画などを確認すると、大型機は岬周辺の標高に近い高度を飛行しており、航空法に抵触する可能性が高い。

 辺戸岬周辺での大型機の低空飛行に関し、米軍機を運用していたのかとの本紙の質問に在沖米空軍は「(空軍の)第353特殊作戦群が4日飛行訓練していた」と回答。高度や経路については「運航の安全上の理由で回答できない」と明らかにしなかった。その上で「全ての飛行は日米両政府の合意の下、実施されている」と強調し、4日の飛行訓練は「航空機搭乗員の能力を維持するため」と目的を説明した。

 沖縄防衛局は米軍の回答を受け9日、本紙取材に「引き続き公共の安全性に妥当な配慮を払い、より沖合で訓練を実施するなど影響を最小限にするよう申し入れた」とした。