「主人を差し置いて前に出るのは反対」…女性の初出馬を阻む「壁」 家族の理解に苦慮27%<市町村議員ジェンダー意識調査>


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 琉球新報は9日までに、沖縄県内の女性市町村議員を対象に、政治分野のジェンダー・ギャップに関するアンケートを実施した。

 初めての立候補を決めた時に、家族や配偶者の理解が得られたかどうかについて、回答者58人のうち、96・6%が「理解を得られた」と答えた。一方、回答者54人中6人が家族や配偶者の理解を得ることが「とても大変だった」、9人が「まあまあ大変だった」と答え、合計で27・8%が「大変だった」と答えた。

 理解を得るのが大変だった理由として、「両親や兄弟から、子どもが小さいこともあって反対された」(うるま市、伊盛サチ子氏)、「母に『主人を差し置いて前に出るのは反対』と言われた」(那覇市、大城幼子氏)などが挙がった。育児は女性が担うべきだという固定観念や、「男尊女卑」の考えから、女性が表に立つことを許さない風土が「壁」になる実情が浮かび上がった。

 立候補を決めたきっかけについて、最大三つの選択肢を選んでもらったところ、「地域の課題を解決したいと思ったから」(27回答)が最も多く、次いで「暮らしやすい社会をつくりたかったから」(26)、「実現させたい政策があったから」、「知人・友人に薦められたから」(いずれも22)と続いた。

 自由記述では、「黒島から議員が出せなかったことで住民も困っていた」(竹富町、宮良道子氏)と島代表としての決意や、「イナグヌ、ヌーナイガ(女に何ができるか)」と言われ、「性別による不公平さを経験したことから、男女共同参画を実現したかった!」(宜野座村、眞栄田絵麻氏)などの思いも寄せられた。