13人からいじめ、不登校に・・・那覇市教委が謝罪 クラス替えの配慮欠く


この記事を書いた人 Avatar photo 斎藤 学
いじめへの対応について被害者と保護者に謝罪する那覇市教育委員会の田端一正教育長(左)と武富剛学校教育部長=9日午後6時45分、那覇市役所

 那覇市教育委員会は9日、記者会見を開き、2015年に当時1年生だった市立中学校の女子生徒が生徒13人からいじめを受けていたと発表した。2年生の時は加害生徒と同じクラスにならないよう配慮したが、3年進級時に学校側の引き継ぎミスで加害生徒1人と同じクラスになり、被害生徒は17年7月から卒業まで不登校になった。同市いじめ問題専門委員会(久保以明委員長)の調査報告を受けて発表した。会見で田端一正教育長らは「大変つらい思いをさせた」として被害者側に謝罪し、対応の改善について説明した。

 報告書によると、被害生徒は15年6月ごろから同年度末にかけて、部活やクラスで「死ね」と言われたり、足を強く蹴られたりするなどのいじめを受けた。保護者はいじめの初期段階で担任に対応を求めたが「見ておく」という反応にとどまった。16年1月に被害者側が改めていじめについて学校に申告し、学校側が同月から加害生徒への聞き取りなど対応を始めた。被害生徒は推薦で県立高校に進学したが、不登校期間の欠課扱いが多く、希望の高校は受験できなかったという。

 同専門委員会は市教委と学校について(1)いじめに対する認識の低さ(2)被害者らへの対応が不十分(3)当時の記録の少なさ(4)保護者側からの情報開示の要望に真剣に対応しなかった―などの問題点を指摘した。市教委は(1)校長がいじめ調査の中心となる(2)調査にスクールカウンセラーなど有識者を活用できることを周知(3)記録作成と卒業後5年間の保存―など改善策を示した。

 同専門委員会による調査報告は初めて。保護者の依頼などを受けて市教委が19年、諮問した。