クーリーと田代が「完封勝ち」キングス6連勝 広島に100-70 第35戦


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キングス―広島 第3Q 必死にルーズボールを拾うキングスの田代直希=10日、沖縄市体育館(又吉康秀撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは10日、沖縄市体育館で広島ドラゴンフライズ(西地区10位)と今季第35戦を行い、100―70で圧勝した。連勝を6に伸ばし、通算成績は26勝9敗。順位は西地区1位のまま。次節は13、14の両日、滋賀県のYMITアリーナで滋賀レイクスターズと対戦する。

 完勝した最大の要因は、相手の二枚看板を1対1でシャットアウトしたことにある。ヒーローは、体を張り続けたジャック・クーリーと主将の田代直希だ。

 クーリーがマッチアップしたのは、リーグでも数少ない、自身よりも体格の大きい208センチ、120キロのグレゴリー・エチェニケ。攻守にゴール下で体をぶつけ合いながら激しくポジション取りで競り合い、個々のリバウンド数で12対2と圧倒。平均16・7点という広島最大の得点源をわずか4点に抑え込んだ。

 田代が付いたのは、196センチながら内外から得点を挙げられるアイザイア・マーフィーだ。第2Qは簡単にドライブを許す場面もあったが、田代がマッチアップしてからはパスコースをつぶす「ディナイ」で簡単にボールすら持たせない。こちらもわずか7点にぴしゃり。田代は第3Qの突き放す場面ではこぼれ球にダイブするなど、チームに勢いをもたらした。

 田代と同級生で、高校の頃から対戦したこともある船生誠也は「前はああいうプレーをする選手じゃなかった。個人的にすごく感じるところがある」と主将の泥臭いプレーを見て奮い立った。選手同士が鼓舞し合ってハードワークを維持したことが、今季チーム最多得点での勝利につながった。
 (長嶺真輝)


 (沖縄市体育館、1401人)
キングス 26勝9敗
100―70(20―16,25―21,36―12,19―21)
広  島 5勝30敗

 【評】前半は相手のゾーン守備を攻めあぐね、第2Q中盤で一時逆転を許す。しかし接戦の場面で岸本隆一や田代直希が3点弾を沈めるとパスの流動性が高まり、第3Qに差を一気に30点以上まで広げた。守備の強度も最後まで落ちず、危なげなく逃げ切った。

◆3Q以外、守備強度低い

 藤田弘輝HC(キングス)の話 3Qは守備の強度が上がったが、その他は下がっている時間帯が多く、遂行すべきところができていなかった。ただハーフタイムで切り替えてハードにできたのは収穫なので、それを最初からできるようにしたい。

◆後半、相手に適応された

 堀田剛司HC(広島)の話 前半はうまくゾーンとマンツーマンを使い接戦に持ち込めたが、後半は相手に適応され、3点弾を決められる場面が増えた。相手の攻撃リバウンドは22本と取られ過ぎた。厳しい状況だが、前を向いて次のホーム戦を勝ちきりたい。