「夢は何歳からでもみつかる」うつ病乗り越えて芸人に 大屋あゆみさんが大学生に語ったこと


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学生に芸人になるまでの話をする大屋あゆみさん=1月28日、宜野湾市宜野湾の沖縄国際大学

 よしもとエンタテイメント沖縄に所属する大屋あゆみさん(36)は1月28日、沖縄国際大学で学生向けに講話した。演題は「今、学生に伝えたいこと」で、学生12人が参加した。大屋さんは聴覚障がいのある両親のもとで育ったことや、芸人になるまでの苦労を語り、「夢は何歳からでも見つけることができる。やりたいことがあるなら行動することが大事だ」とエールを送った。

 大屋さんは言葉よりも先に手話を覚えた。高校卒業後、福祉の専門学校に進学したものの、本当にやりたいことかと疑問を抱いて約半年で退学した。市役所で手話通訳者として働いていた時、うつ病になった。仕事を辞めて治療に専念した。

 芸人の道に進んだことは偶然だったという。診察を受けるために訪れた病院の待合室で、「よしもと沖縄エンターテイメントカレッジ(現吉本総合芸能学院沖縄校)1期生募集」のテレビCMを見掛け、入学願書を出した。

 当初、テレビ制作のスタッフを養成するコースを志望した。「人を笑わすことはできない」と考えていたが、面接官に「君は芸能コースに向いている」と言われことを契機に、お笑いコースに進んだ。2012年、デビューした。

 アルバイトを掛け持ちしながら活動していた14年、おきなわ新喜劇のメンバーに選ばれるなど活動の幅も広がってきた。

 18年、手話コメディー「劇団アラマンダ」を立ち上げ、座長を務めていることも紹介し、「聞こえない人には笑ってもらい、聞こえる人には手話も覚えてほしい」と語った。

 3年の仲宗根寿(ひさし)さん(21)は「芸人になりたい夢をずっと隠していた。就職を意識して、夢を捨てられなかった。有名になって映画祭のレッドカーペットを歩きたい」と決意を語った。2年の福内愛美さん(20)は「いままで目標があやふやだった。これからは、やりたいことを言葉にしていきたい」と話した。