竹久夢二の世界を踊りで表現 茉莉花バレエ&ダンスが公演 新報アートルネッサンス開幕


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「浪漫~夢二の世界~より一入」の一場面=7日、那覇市の琉球新報ホール

 茉莉花バレエ&ダンススタジオの公演「MA・TSU・RI VOL.1」(茉莉花バレエ&ダンススタジオ主催、琉球新報社協力)が7日、那覇市の琉球新報ホールで開かれた。創作ダンスや、画家で詩人の竹久夢二の世界を踊りで表現した舞台「浪漫」を披露し、出演者は表情豊かに息の合った踊りを見せ、生の舞台で踊る喜びや楽しさを届けた。新型コロナウイルス感染症対策を講じて開催。観客からの盛大な拍手が鳴り響いた。 (田中芳)

 創作「浪漫~夢二の世界~」は、画家の夢二の絵や詩を基にイメージした全11作品で構成される舞台。女性たちが現代の世界からタイムスリップしたように、夢二の絵の世界へ入り込んでいき、実らない恋を捨て、新しい自分を取り戻して強く生きていく様子を、演出や踊りで引き込んだ。

 松川夏子(Company Dream Art)、山口静香(南条幸子バレエ研究所)、山田あゆみ(YUKIMIバレエ・コンテンポラ・スクエア)、比嘉千莉(茉莉花バレエ&ダンススタジオ)が出演した「一入(ひとしお)」では、4枚のマジックミラーが配置された舞台の中で恋人から渡された白い椿の花を手に情感を込め踊った。

 夢二の作品に描かれる日本女性ならではの、はかなく美しい中にひそめる芯の強さを持った女性の美を、独舞や群舞で魅了した。

 出演者全員で踊るフィナーレ「大江戸華の乱」で和太鼓(金刺凌太)と、しの笛(金刺文美子)のユニット「そらなり」は緩急自在の巧みな演奏で躍動感あふれる踊りを披露し、拍手喝采となった。

 出演者の松川は「作品の美しさが、観客に届いていたらうれしい。気持ちを踊りに入れることができた」、AMEKU(ADEA)は「反響がすごく、パワーをもらえたとの声をいただいた。公演が実現でき感謝している」と話した。演出振付を担当した比嘉茉莉花は「コロナ禍の中、無事開催できたことは大変うれしい。見に来てくださった方々にも感謝したい」と話した。

 出演者はほか、照屋舞生好(maima)、新城瑠夏(環バレエアートスタジオ)、高橋佑依(茉莉花バレエ&ダンススタジオ)、宮良菜々(同)、大城カリナ(同)、太田羽奈(同)、大池蒼璃(同)小渡帆夏(同)、南風原菜子(同)。

 「MA・TSU・RI VOL.1」はコロナ禍で舞台や公演を中止せざる得なかった実演家やアーティストを応援する企画「新報アートルネッサンス 新歩(しんぽ)の時」の一環の企画公演として行われた。