石垣島で「子ども旗頭」夏の豊年祭で披露へ 「光ってほしい」要望応えデザインや重さも工夫


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 【石垣】地域の子どもたちに幼少時から旗頭に触れてもらおうと、石垣島北部・伊原間地域が「子ども旗頭」作りを進めている。伊原間の子どもたちのアイデアを基にハーリー船やパイナップルなどが描かれるデザインで、伊原間らしさを前面に押し出す。依頼を受けた旗頭制作歴65年の新城弘志さん(85)=石垣市登野城=が1月中旬から作業を進めており、3月初旬には完成予定。今年夏の豊年祭で子どもたちが旗頭を掲げる姿が見られるという。

新城弘志さん(右)が旗頭をつくる様子を見学する伊原間の親子ら=6日、石垣市登野城

 地域のシンボルでもある旗頭に幼少時から触れることで、伝統行事の意味を地域の子どもたちに考えてもらい、地域のつながりを強くするのが目的。県ふるさと農村活性化基金事業を活用する。

 昨年9月ごろ、地域の子どもたちに伊原間のイメージや作りたい旗頭のデザインについてアンケートを実施した。集まった結果を基に、新城さんが太陽と波をかき分けて進むハーリー船、パイナップルとさとうきびを取り入れたデザインを考案した。「光ってほしい」という子どもたちの希望を受け電灯も付けるという。

 新城さんは「子どもたちみんなが楽しめるように、できるだけ軽いものを作りたい」と意気込む。

伊原間の子どもたちのアイデアを基に新城弘志さんが考案した子ども旗頭のデザイン

 6日には地域の親子2組が新城さんの作業場を見学し、デザインなどについて説明を受けた。

 中桐紬ちゃん(5)は「(制作途中の旗頭を)持ってみたら軽かったから持てそう。できるのが楽しみ」と語った。父親の潤一さん(48)は「重さなど、持ち手側のことを考えて作ってくれてありがたい。小学校から旗頭を持てるのはぜいたくなこと。そのことに感謝できる子ども、そして地域になってほしい」と話した。