王会長の前で柵越え 若鷹リチャード、大砲候補へ豪快アピール 狙うは「開幕1軍」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
真剣な表情でトスバッティングをするソフトバンクのリチャード=10日、宮崎市生目の杜運動公園アイビースタジアム(ジャン松元撮影)

 ソフトバンクの春季キャンプで4年目のリチャード(21)=沖縄尚学出=が気を吐いている。昨季はイースタンリーグで打点王と最多本塁打王の2冠を取ったが「満足していない」。小久保裕紀ヘッドコーチが課す1日千スイングをこなしている効果か、10日のシート打撃では王貞治球団会長らが見守る中、レフトへの大きな柵越えを披露。「キャンプからアピールして、開幕1軍を目指したい」と闘志をたぎらせる。

 鷹の大砲候補に対するコーチ陣からの期待の表れだろう。打撃練習中、スイングごとによく助言をもらう。「熱心に指導してくれるので、期待に応えたい」と手のひらの皮がむけるほど、バットを振り込んでいる。

 10日のシート打撃の2打席目は、マウンドに昨季リリーフとして活躍した泉圭輔。2ボールからの3球目は「試合を意識して集中した。次は(直球が)来るから振ってみよう」とバットの先でのミートだったが、打球は一直線にレフトスタンドへ。「打った瞬間に分かった。6、7割の力だった」。全力では振らないことを意識して出した結果に「物足りなさはあるが、良いアピールになった」と満足げ。王会長からも「良いスイングになってきているから、これからも続けなさい」と声掛けしてもらったという。

 春季キャンプも第3クールに突入し、実戦練習も増してくる。「まだまだここから。人より数多くバットを振って、開幕から1軍で出られるようもっと頑張りたい」。コーチ陣からの期待を原動力に変え、開幕1軍へ向け猛進する。

 (上江洲真梨子)

沖縄キャンプのニュースはこちらの特設ページへ

https://ryukyushimpo.jp/special/okinawa-camp2021.html