「労働運動は社会貢献」連合沖縄の初代会長・神山氏が「自分史」出版


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自分史「労働運動と共に歩む」を自費出版した神山操氏=那覇市の自宅

 連合沖縄の初代会長を務めた神山操氏(87)がこのほど、自分史「労働運動と共に歩む」を自費出版した。1972年の沖縄の日本復帰に伴う大量解雇に抵抗した基地従業員によるストライキ闘争や、連合沖縄として厚生年金の本土との格差是正に奔走した体験などを振り返っている。

 神山氏は「労働運動に関わってきた60年代から90年代の自分史をまとめることは、沖縄の労働運動史に重なる。参考になればいい」と話した。

 神山氏は1933(昭和8)年、国頭村安田生まれ。沖縄工業高を卒業し、米陸軍ポストエンジニア(施設営繕局)に勤務した。「軍職場における職場環境は奴隷的だった」と、66年の全軍労(現在の全駐労沖縄地本)普天間マリン支部結成に参加し、本格的に組合活動の道に入った。

 全軍労書記長、全駐労沖縄地本委員長、県労協議長などの要職を歴任。89年に県労協と県同盟が合流して連合沖縄を結成すると、会長を2期4年務めた。

 自分史には、当時の県経営者協会会長だった稲嶺恵一氏(後に県知事)が祝辞を寄せ、厚生年金の格差是正運動に沖縄の労働界と経済界が「呉越同舟」で、国に解決を迫った経緯を振り返っている。

 神山氏は「平たんな道ではなかったが、労働運動は社会貢献につながるということを、若い人には知ってもらいたい」と話した。