「命は本当に奇跡」 助産師と夫が命と性の授業 宜野湾・嘉数中


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
命について語る助産師のHISAKOさん(左)と夫のMARKさん=1月26日、宜野湾市立嘉数中学校

 【宜野湾】うるま市で「助産院ばぶばぶ」を開く助産師のHISAKO(ひさこ)さんと夫のMARK(マーク)さんが1月26日、宜野湾市立嘉数中学校で「いのちの授業」と題し講演した。月経や妊娠の仕組みのほか、望まない妊娠からの中絶についても解説。リスクを乗り越えて赤ちゃんは誕生するとし「命は本当に奇跡」と述べ、お互いに寄り添う必要性も強調した。

 授業は2年生のPTAが主催する学年行事で、約260人の生徒が聴講した。助産院は昨年4月、大阪府からうるま市に移転した。HISAKOさんとMARKさんは関西弁を使い、コントも交えながら会場を沸かせた。

 日本では、妊娠21週の終わりまで中絶が認められている。HISAKOさんは中絶について、お腹の赤ちゃんを棒で突いてつぶしてバキュームで吸い込んだり、薬で無理に出産させ赤ちゃんの鼻や口をふさいだりすると報告。「本当につらい」と吐露した。生徒は息をのんで話に耳を傾けた。

 HISAKOさんとMARKさんはセックス(性交)について「人を大好きで、幸せにしたいというすてきな気持ちの延長にある」と話しつつ、避妊する重要性も指摘した。同性を好きになるといった性的マイノリティーについて「寄り添ってあげて」とも呼び掛けた。

 生徒を代表し、高橋歩羽(ほわ)さん(14)は「学んだことを心にとめ、HISAKOさんやMARKさんのように、自分も周りの人たちも大切にできる人になりたい」と感想を述べた。