遅咲きの新星が会心のレース 石川、レース3戦目で栄冠 自転車新春ロード


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チャンピオンレース 序盤トップに立ち後続を突き放す石川裕彬=14日、南城市佐敷

 自転車の第32回新春ロードレース大会は14日、南城市役所公共駐車場特設周回コース(1周約1キロ)で行われた。高校生以上の男子が出場するチャンピオン(30周)で、石川裕彬(豊見城高―大分・平松学園出、MAIYO)が50分20秒067で初優勝を果たした。ヤングエキスパート(25周)は奥間敦彦(米須)が45分33秒114で頂点に立った。シニアエキスパート(20周)は松永和幸(桂林)が37分20秒916で優勝した。 (謝花史哲)

 自転車を始めて1年半という石川裕彬が会心のレースで頂点に立った。2020年から本格的なトレーニングに入り、レースは3戦目。狙っていた展開で2周目からトップを維持した。

 友愛医療センター(豊見城市)に勤務する臨床工学技士で、これまでスポーツ経験はなし。体を動かすのは高校まで続けていたエイサー以来だったという。

 ダイエット目的で自転車を始め、初心者ながら19年のツール・ド・おきなわチャレンジレースで2着に。「やった分だけ強くなる」。達成感から瞬く間にのめり込んだ。独学でトレーニングを組み立て、月千~1500キロを走り込む。大会中止が相次ぐ中、11月の県選手権にようやく出場を果たしたが、3位という悔しい結果で一層奮起した。

石川 裕彬

 今回の特設コースは多くのカーブが設定された。趣味だったオートバイの経験を生かし、「コーナリングは分がある」と速度を落とさず前に出て好機をつかむ。2周目の上り坂のコーナーワークで先頭に出て直線で引き離しにかかった。

 後半は疲れもあったが、ほとんど同じ速度で周回。「1秒くらいは縮められても大丈夫」と冷静だった。経験者も多い中、ペダルを踏み続けた。

 ハードな鍛錬の成果に「やってきたことは間違っていなかった。自転車の才能があったんだと思う」と笑う。28歳で競技者となった遅咲きが狙うは国内最高峰のツール・ド・おきなわのチャンピオンレース。トップレースで優勝争いできるまでに成長することを誓う。


▽チャンピオン(30キロ) (1)石川裕彬(MAIYO)50分20秒067(2)中鶴友樹(OKINAWA)50分32秒090(3)玉城翔太(北中城高3年)51分03秒840

▽ヤングエキスパート(25キロ) (1)奥間敦彦(米須)45分33秒114(2)宮里貴史(米須)45分33秒218(3)成海慶(美来工科高1年)47分06秒187

▽シニアエキスパート(20キロ) (1)松永和幸(桂林)37分20秒916(2)長田直之(米須)37分24秒750(3)篠原稔(キッズ)37分25秒991

▽ビギナー(7キロ) (1)冨山貴文(CHAMP CREW)14分51秒891(2)櫻井茂夫15分20秒531(3)大木庄太(CHAMP CREW)15分27秒479

▽チャレンジビギナー(10キロ) (1)大城朝海(名護中3年)19分06秒595(2)井上幸洋(松城中3年)19分10秒951(3)近田ちひろ(金武中2年)19分59秒432

▽小学高学年(3キロ) (1)喜納大翔(北中城小5年)7分40秒416(2)高良莉空(琉大付小6年)7分40秒906(3)大城琥太郎(豊見城小5年)7分53秒427

▽小学低学年(3キロ) (1)知名純希(糸満南小3年)2分03秒032(2)宮里玲央(光洋小3年)2分03秒130(3)與那覇碧空(大里南小3年)2分03秒395

▽バンビー(1キロ) (1)安喜航生52秒413(2)大城圭太(ゴーヤー)54秒139(3)宜保慧大(ゴーヤー)54秒248