玉城沖縄知事、米軍基地集中で「50%以下目指す」 現状70%から、基地負担削減へ意欲 県議会2月定例会で明言


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県議会2月定例会で2021年度の県政運営方針を表明する玉城デニー知事=16日、県議会

 沖縄県の玉城デニー知事は16日開会の県議会2月定例会で、来年、沖縄県が日本復帰50年の節目を迎えるのに向けて、全国の米軍専用施設面積の70・3%が沖縄に集中する状況について「『当面は在日米軍専用施設面積の50パーセント以下を目指す』とする具体的な数値目標を設定し、実現するよう日米両政府に対し求めていく」と述べた。玉城知事が米軍基地負担の軽減に向け、数値目標を明示するのは初めて。

 定例会冒頭の県政運営方針で明らかにした。玉城知事は、復帰50年を控えた今もなお「国土面積の約0・6%の沖縄県に米軍専用施設面積の70・3%が集中し続けていることにより、騒音、環境問題、米軍関係の事件・事故が後を絶たない状況にある」と指摘。日米安全保障体制の必要性を理解する立場とした上で、「沖縄の基地負担の状況は異常であり、到底受忍できるものではない」と述べた。

 日米特別行動委員会(SACO)や、その後の統合計画で示された米軍嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還が全て実施されたとしても、沖縄の米軍基地専用施設面積は全国の69%程度にとどまり、「応分の負担には依然としてほど遠い状況にある」と説明。

 2021年度を計画の最終年度とした沖縄21世紀ビジョンで「基地のない平和で豊かな沖縄をあるべき県土の姿としながら、引き続き基地の整理・縮小を進めること」としていることや、県議会でこれまで2度「在沖米海兵隊の撤退」を全会一致で決議していることなどを理由に、「在日米軍専用施設面積の50%以下を目指す」という数値目標を掲げた。

 普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題については「対話によって解決策を求めていくことが重要と考えており、政府に対し、工事を直ちに中止した上で、県との対話に応じるよう求めていく」と県の姿勢を説明した。

 政府に対して、普天間飛行場の速やかな運用停止と危険性の除去、県外・国外移設や早期閉鎖・返還を求めるとともに、「辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向けて、今後もあきらめず、ぶれることなく、全身全霊をもって県民の思いに応えていく」と強調した。