コロナ闘病・やよいさん「一番きつかったこと」 誰もが感染するから…


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「一人一人が強い意識を持たないといけない」と語る城間やよいさん=12日、那覇市の琉球新報社(撮影時のみマスクを外しました)

 お笑いコンビ「泉&やよい」の城間やよいさん(51)が16日までに琉球新報の取材に応じ、昨年10月に新型コロナウイルスに感染した体験について語った。「誰でも感染しうるという前提で(気を付けて)過ごさないといけないし、感染した人を非難してはいけない」と訴えた。 (伊佐尚記)

 やよいさんが感染した演劇「洞窟(ガマ)」の稽古場では検温やマスク着用などの対策をしていたが、出演者、スタッフら19人のクラスター(感染者集団)が発生した。10月19日に最初の感染者が判明し、やよいさんは20日に陽性と判明した。「ショックだった」。同時に「(感染拡大を)食い止めないといけない」と思い、周囲の人々への連絡に追われた。同日昼までは元気だったが、夕方から強い倦怠(けんたい)感に襲われ入院した。

 やよいさんは陽性と判明する2日前、微熱が出た。だが2~3時間で下がったため「疲れかな」と異変を見過ごしていた。入院中は頭痛や胃腸の不快感、寒気に襲われた。食事も水も体が受け付けず、しばらく点滴でしのいだ。徐々に回復し、11月5日に退院した。「周囲の人を濃厚接触者にして活動を止め、心配させてしまったことが一番精神的にきつかった」

 「洞窟」の公演は中止されたが、主催者は日程を再設定して上演を目指した。やよいさんは「周囲に迷惑を掛けた」との思いから、出演するか即答できなかった。だが「戦後75年にこの(沖縄戦を描いた)芝居をやりたい」と思い、プロデューサーと「どうやったらできるのか」について話し合った。上演回数を減らして換気を強化するなど今まで以上の対策を取り、12月に無事終演した。

 舞台関係者の多くは映像配信に切り替えたり、稽古時間を短くしたりと変化を迫られている。やよいさんは「ベストなものを見せたいけど、コロナ禍の中では感染しない、させないが第一だ。みんな、せめぎ合いの中でやっている」と葛藤を明かす。「どうしたら活動を継続できるのか、上に立つ人をはじめ、一人一人が強い意識を持たないといけない」と力を込めた。