那覇空港内の13店が撤退、31店休業 コロナで利用者減


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昨年4月から休業を続けている那覇空港ターミナルビルのテナント店舗=2日、那覇空港際内連結ターミナルビル

 那覇空港ターミナルビル内の土産品店などのテナントのうち、新型コロナウイルスの感染拡大以降に13店舗が撤退し、31店舗が休業していることが17日、分かった。那覇空港ビルディング(NABCO)の安里昌利社長が、同日開かれた県議会と観光業界との意見交換会で明らかにした。コロナ感染前には141店舗が営業していた。現在、97店舗が営業を続けているが、空港利用者の減少によって大半の店舗が赤字に陥っているという。

 感染拡大によって2020年3月下旬に国際線が全便運休して以降、外国人旅行客はゼロが続いている。19年3月に開業した際内連結ターミナルを中心に、テナントの撤退や休業が相次いでいる。県内で初めて緊急事態宣言が発出された昨年4月以降、休業を続けている店舗もある。

 NABCOの21年3月期の決算は、上期で8億の赤字、年間ベースで20~30億円近い赤字になる見通しで、1992年の創設以来初めての赤字決算となる見込みという。20年3月期決算では、売上高が123億438万円、純利益は26億8190万円となっていた。

 主な収入源であるテナント家賃収入は、入居店舗の売り上げに応じて額が変わるため、店舗の売り上げ減少により大きく落ち込んでいる。NABCOはテナントからの要望を受けて20年4月から賃料を一部減免し、20年12月までの累計減免額は1億6300万円に上る。

 また、那覇空港発着便の利用客が航空券を購入する際に、旅客取扱施設利用料を徴収しているが、利用客の減少により徴収額が減っている。

 安里社長は、県議会との意見交換会で「今後、ゴールデンウイークなどの時期に4度目の緊急事態宣言が出ないか懸念している。経済への予算措置と平行して、感染対策にもっと力を入れるべきだ」と話した。