宜野湾の全地区が「うるさい」 普天間飛行場の騒音、市が初調査


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宜野湾市の市街地中心部に位置する普天間飛行場=2020年12月

 【宜野湾】米軍普天間飛行場に関して、宜野湾市が市内23自治会に聞き取り調査した結果を公表した。同飛行場を離着陸する航空機の騒音について、全自治会が「うるさい」と回答し、基地から発生する騒音被害を「受けている」と答えた。市内全域で基地の騒音に悩まされている現状が改めて浮き彫りになった。

 基地問題に関して全自治会に聞き取りするのは初めて。調査は昨年1~3月に実施した。市は結果を参考に、基地負担の軽減を関係機関に求めていく。

 調査によると、航空機のうるささについて「大変うるさい」が78%に当たる18自治会、「うるさい」が5自治会、「うるさくない」の選択はゼロだった。騒音被害は「非常に受けている」が16自治会、「少し受けている」が7自治会、「受けていない」がゼロとなっている。

 被害の具体例(複数回答可)としては「電話が聞き取りにくい」「テレビ・ラジオ・CDなどが聞き取りにくい」が、いずれも20自治会で最も多かった。基地や航空機などに感じている不安について(同)は「墜落」が23自治会、「落下物」が21自治会で続く。

 うるさいと感じる機種(同)は垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが最多(17自治会)だった。

 騒音による体への異常(同)としては「一度起きたら寝付きにくい」(10自治会)との選択が多かった。米軍機飛行に伴う地上デジタル放送の受信障害は、11自治会が「ほぼ毎日ある」と回答した。調査結果は2月10日に市のホームページで公表された。

普天間飛行場を離陸するF35B=2020年12月