米軍基地内の墓移転は「双方合意」 防衛省は普天間飛行場の機能強化を否定


この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
米軍普天間飛行場

 【東京】米軍普天間飛行場(宜野湾市)内にある墓の移転計画について、防衛省は18日、「墓の所有者と米側の双方のニーズが合致した。双方合意の下で移転について最終理解が得られた」と明らかにした。移転が合意された墓は、米軍の資材置き場に囲まれる形で存在し、移転することで米軍の資材置き場の「使い勝手が高まる」と説明したが、新たな施設整備や機能強化ではないとの認識を示した。

 防衛省によると移転対象の墓は二つ。これまでに、手続きが煩雑だったり、米側や自治体側の不手際でスムーズに墓参りができなかったりしたことがあり、墓の所有者からたびたび問題提起や、基地外への移転に向けた相談を受けていた。

 米側も資材を搬出入する際に墓が支障となっており「(資材置き場を)さらに有効利用したい」との意向が示され「ニーズが合致した」という。

 沖縄防衛局は本紙の取材に対し、墓の移転理由について「米軍の運用上の所要」と述べていた。これについて防衛省は資材搬入の支障となることを指していたと説明した。

 本年度は墓地周辺の調査を行い、来年度、清明祭の時期を避けて移転する計画だ。