【識者談話】乱気流で墜落も 地面に近づくほど増す危険性(航空評論家・青木謙知氏)


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青木謙知氏

 米国のような実戦の多い国のパイロットは、あらゆる飛行方法を必要とする。特に、沖縄で目撃されている特殊作戦機などは、人員や物資を隠密に運び降ろしたり、回収したりするのが任務なので、敵のレーダーに探知されないよう地形の陰に隠れて飛ぶ技術が求められる。

 必要とされる高さは飛行する場所によって変わる。仮に法律などを無視して考えるとするならば、東京のように50メートル以上のビルが多い市街地では50メートル以下で飛ぶことが求められる。100メートルの山があるような場所では100メートル以下で飛ぶ。沖縄での訓練も、飛行する場所の地形の高さに合わせて飛ぶことが目的だろう。

 飛んでいる機体の高度を正確に測ることは難しい。付近にある高さが分かるものと比較することはできるが、正確な高さは分からない。米側が情報を出せばそれを信用するしかない。

 低空飛行は危険を伴う。例えば急に乱気流が発生して、機体が上から下に30メートル押されるとする。地面から30メートルの高さで飛んでいると、墜落することもある。

 高く飛んでいれば回避できることも、地面に近づけば近づくほど難しくなり、危険の度合いが高くなる。