生徒自身が考えた校則の改定案 男女格差の是正、LGBT配慮盛り込む 糸満・西崎中


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生徒会で考えた校則の改定案を説明する(左から)中原悠太さん、安谷屋庚生さん、玉城春陽さん=16日、糸満市西崎の西崎中学校

 糸満市立西崎中学校の生徒会は16日、生徒が考えた学校規則(校則)の改定案を学校運営協議会に説明した。生徒が主体となって校則を決めるのは同校初。改定のポイントは、男女格差の是正やLGBT(性的少数者)への配慮、暑さ・寒さ対策だった。学校運営協議会はPTAや地域住民による評議員で構成され、学校運営に意見する。校則は評議員の意見を踏まえて練り直され、来年度から適用される。

 同校は女子のズボン着用を認めていたが、男子のスカート着用は「校外で好奇の目にさらされる」などの理由で認めていなかった。生徒会長の中原悠太さん(2年)は、男子のスカート着用を認める改定案を説明し「実際にスカートをはく勇気がなくても、校則にあることで心の支えになる。学校が変わることで、地域の配慮も進むはずだ」と理解を求めた。

 現行の校則は、女子の夏服でリボン着用を義務付ける一方、男子の夏服はシャツの規定しかない。冬服は男女ともネクタイ着用の義務があり、女子の制服はリボンの分だけ男子より高い。男子は暑い時に制服のボタンを外せるが、女子はリボンを付けるためボタンを外せず、不公平感もあるという。
 副会長の玉城春陽さん(2年)は「リボンは1本220円。最初に2、3本買う生徒が多く、紛失するとさらに費用がかかる」と女子の負担を説明し、改正の必要性を訴えた。

 リボンに愛着がある生徒もいるため、リボンの廃止はせず、改正案は男女とも「夏服・冬服ではリボン・ネクタイを着用する」としたが、評議員は「夏は暑いので、大人でもネクタイをしていない。ネクタイ着用を義務とするのは大変だ」と助言した。最終的には「夏はリボンやネクタイを付けても付けなくてもいい」という校則に落ち着きそうだ。

 腕まくりや登下校時のマフラー・手袋着用など、暑さ、寒さ対策も認めた。

 校則の改定に当たり、生徒会は近隣高校の校則を参考にした。生徒会執行部の話し合いでは、ピアス解禁の要望が出たが、高校で禁じられているため「入試で不利になる」と考え、引き続き禁止とした。「ツーブロック禁止」など髪型については話題にならず、現行の校則を踏襲した。副会長、安谷屋庚生さん(1年)は「禁止されている髪型にしたいというわけではないが、禁止の理由が分からない。理由次第では改定してもいいのかも」と述べ、引き続き校則について考える意欲を示した。