「不安の声承知」も 飛行容認変わらず 米軍低空飛行で防衛相


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岸防衛相

 【東京】岸信夫防衛相は19日の会見で、県議会が米軍機の低空飛行即時中止や日米地位協定の抜本改定を求める抗議決議と意見書を可決したことについて「沖縄の皆さまから不安の声が上がっていることは承知している。沖縄県のご意見としてしっかり受け止める」と述べた。飛行訓練自体は「重要だ」として容認する姿勢を改めて示した。映像や写真から米軍機の高度を分析する手法の検討を始めているとし、米軍の言い分とは別に、日本独自に飛行高度を検証できるよう対策を進める考えを明らかにした。

 慶良間諸島周辺で30メートル以下の高度での飛行が確認されたことに関しては「報道に逐一コメントすることは差し控える。米軍の個々の訓練内容については、米軍の運用に関する事柄であり、その詳細はこれまでも明らかにされていない」と述べるにとどめた。

 岸氏は「わが国の公共の安全に妥当な配慮をするのは当然の前提だ」と述べ、低空飛行だったとの認識は避けつつも、地元の懸念に理解を示した。日米合意の順守や、より沖合で訓練するよう求めているとした。

 また、オースティン米国防長官との対話で低空飛行問題を取り上げるかどうかについては「具体的に低空飛行の件を話したことはないが、在日米軍の運用がスムーズに行われるためにも、地元の理解と協力が大変重要だと申し上げている」と強調。地元の不安の声は「長官も理解していただけている」とした。