制服選択制は「命を守ること」 制度導入の南風原・南星中で教職員向け研修


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制服選択制導入の意義について語る竹内清文さん=17日、南風原町の南星中学校

 【南風原】南風原町が4月から性別で区別しない制服選択制を導入することに伴い、南星中学校(金丸利康校長)は17日、同校体育館で教職員向けの研修会を開いた。NPO法人レインボーハートプロジェクトokinawaの理事長竹内清文さんが講師を務め、参加した同校の約40人の教職員が制度の内容やLGBTなどの性的少数者について理解を深めた。

 「命を守ることです」―。性的少数者は社会の無理解などで自殺未遂や自傷行為をする割合が一定数いることから、竹内さんは制服選択制導入の意義について、こう断言した。制度を導入すること自体が子どもたちに「自分らしくいていい」「認められている」という「メッセージ」を送ることになると強調。その上で人は一人一人違うため、「制服を選べることは性的少数者だけでなく、みんなにとって大切だ」と語った。

 3年担任で国語教諭の小渡江里沙さん(27)は制度について「大賛成。大きな一歩だと思う」と期待した。一方、4月からの制度導入に「もうちょっと準備期間が必要では」と懸念を示したのは1年生担当で美術教諭の脇田匠さん(29)。制度には賛成としつつも「時間をかけて浸透させていかないと、戸惑う生徒や保護者もいるのではないか」と心配した。

 町内の中学校は南星と南風原の2校がある。各校判断ではなく、自治体として制服選択制の導入を決めたのは南風原町が県内初となっている。