written by 嘉数陽(南部報道部)
先日、南風原中学校で制服選択制に関する取材をした。南風原町では来る4月から、性的マイノリティーの生徒に限らず、誰でも自由に現在の制服から選んで着ることができる。
自分らしくいられる環境があることは、とても勇気づけられる。同校2年の女子生徒は「小学生のとき、スカートはほとんどはかなかった。なのに中学に上がったら嫌でもスカートをはかなきゃいけなくて、最初は学校に行きたくなかった」と話していた。
とてもよく分かる。私も小学生のときにスカートをはいてからかわれ、スカートが嫌いになった。今でも足が見える丈のスカートは落ち着かなくてめったにはかない。彼女は「4月からはズボンをはく」と笑顔を見せた。ただ「自分の性に違和感のある人が、本当に希望する制服を着る勇気を持てるかは心配だ」とも話した。
「もしいじめに発展したらどうするの」と聞くと、別の男子生徒が「励ます。好きな制服を着るのは何も間違っていないから」ときっぱり答えた。きっと4月を迎えたら、一時的に不安や戸惑いが広がるかもしれない。それでも彼らなら、自分とは違う価値観を受け入れて、自分らしく生きる素晴らしさを町外へも広めてくれる気がする。
(南風原町、糸満市、久米島町、渡名喜村担当)
ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。