男女の性差ない「実力主義」 管理職の3割が女性の南風原町 県内トップの理由は


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南風原町で管理職を務める女性たち。「職場で男女の差を感じたことはあまりない」と話す=19日、同町役場

 県内市町村役所・役場で働く女性管理職は、平均で14%。2割にも満たない市町村が多い中、比較的登用が進んでいる南風原町は県内トップで30%となっている。浦添市は2年前に女性副市長が誕生し、部長クラスでも女性登用が進む。宜野湾市は市が設置する審議会でも女性委員の割合を意識的に高め、女性の意見を反映させる仕組みをつくっている。 (嘉数陽)

 【南風原】南風原町は県内41市町村の中で最も女性管理職の割合が高く、管理職全体の30%を占める。具体的な女性登用の数値目標を設定しているわけではなく「実力主義の結果」と赤嶺正之町長は話す。管理職の女性職員たちは「男女の性差を職場であまり感じない。男性職員も育児に一生懸命で、仕事と育児に対する意識に男女で大きな違いがないことが功を奏しているかもしれない」と語った。

 課長級以上の管理職は全員で20人。女性はそのうち6人。町役場の正規職員は約200人で、男女の人数はほぼ同数。採用試験でも特に男女比率を決めずに「実力主義」で採用する。「仕事のスキルはもちろん、チームをまとめる力など総合して昇任を判断している」と赤嶺町長。

 住民環境課の宮城広子課長(60)は「昇任の話を受けた約6年前は、女性管理職は1人だけだった。後輩のためになるだろうと思い話を受けた」という。会計課の赤嶺薫課長(55)は「ロールモデルとして後輩の参考になるはずだ」と語る。

 学校教育課の宮良泰子課長(45)は「男性も育児に参加しているので、大変なときはお互いさまという感じ。とても働きやすい」と職場の印象を語った。


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