ボクシング狩俣、ライトフライ級新人王に 西軍代表に2-0判定勝ち


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全日本新人王戦ライトフライ級決勝 右ストレートを決める狩俣綾汰(赤)=21日、東京・後楽園ホール(普久原裕南首都圏通信員撮影)

 プロボクシングの第67回全日本新人王決定戦決勝が21日、東京の後楽園ホールで行われ、ライトフライ級5回戦で東軍代表の狩俣綾汰(りょうた、宮古総実高―芦屋大出、三迫)が西軍代表の木村彪吾(グリーンツダ)に2―0で判定勝ちした。狩俣は初回から積極的に攻め続け、乱打戦を制した。戦績は6戦6勝(3KO)。西軍代表でフェザー級に出場予定だった福永輝(浦添商高出―沖縄ワールドリング)は、新型コロナウイルス陽性が確認され、棄権した。 (普久原裕南首都圏通信員)

 狩俣綾汰は、全5ラウンドを戦い終えて納得いかないといった表情で判定のアナウンスを待った。「見栄えが悪いと思った。『2丨0』と聞いて、負けたのかなと」

 杞憂(きゆう)だった。相手のパンチをもらいながらも、強気を貫いた狩俣が勝ち名乗りを受けた。

 初回から全開でいった。「判定を考えず、出し切る。あららがま魂で」と故郷の宮古島の合言葉を思い起こして自身を奮い立たせた。

 相手との間を詰め、全力の拳を振る。反撃の連打を浴びる場面も多かったが「前に行くしかない」と猛打を繰り出す。最後は気力で上回り全日本新人王の栄冠をつかんだ。

 トロフィーを手にしても、試合後のインタビューでも、喜びを爆発させることなく安堵(あんど)の表情が目立った。元世界王者の比嘉大吾(宮古工高出―Ambition)、先にプロ入りし、6連勝と着実に戦績を伸ばす川満俊輝(宮古工高―第一工大出―三迫)とは高校のころから互いを知る同学年。「2人はまだまだ先にいるけど、やっと自分もスタートラインに立てたと思う」とはにかんだ。

 これで日本ランク入りするが、精神面や技術面などで課題もある。「会長やトレーナーを信じ、一つ一つ戦っていきたい」と力強く決意を示した。

ライトフライ級の全日本新人王者に輝いた狩俣綾汰

▽ライトフライ級5回戦

狩俣綾汰(三迫)48.9キロ
 判定
木村彪吾(グリーンツダ)48.9キロ

▽フェザー級5回戦

平野和憲(KG大和)
 棄権
福永輝(沖縄ワールドリング)