男性は総務・企画系 女性は医療・福祉系 人事配置、性別で偏り 本紙 県・11市調査 固定観念影響か


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 琉球新報は22日までに、沖縄県と県内全11市を対象に、男女共同参画に関するアンケートを実施した。その結果、全自治体で総務や企画に関する部署に男性が多く配置される一方、福祉や医療などの部署には女性が多い傾向にあることが分かった。財政や人事、総合計画などに関わり、「行政の頭脳」とも称される総務や企画系部署は職員1994人中、男性は1350人(67・7%)と多数を占めた。一方、介護や子育て、保健衛生などを取り扱う部署の職員3448人中、女性は2060人(59・7%)に上った。性別が人事配置の判断材料の一つになっている可能性がある。

 管理職で見ると、総務企画部署は女性比率がさらに低い傾向がある。総務企画に所属する女性管理職は261人中33人(12・6%)だった。一方、福祉医療系は226人中78人(34・5%)で総務企画系の女性管理職の比率より21・9ポイント高かった。

 ジェンダーに詳しい専門家は「『男は仕事、女は家事・育児』との固定化されたジェンダーバイアス(性に基づく差別や偏見)によって人事配置がなされている実態がある」などと指摘した。

 本紙は昨年末、県と11市に対し、行政への女性参画状況に関する調査を実施し、各自治体から2019年度現在の知事・市長部局職員の配置状況に関するデータを得た。データの中から、総務や企画、福祉などの名称が付けられた部署の職員数を抽出して分析した。

 全自治体を合計した男性職員数は6261人(61・6%)で女性は3895人(38・4%)だった。一方、非正規職員は男性1128人(24・3%)、女性3507人(75・7%)だった。また、女性の育児休業取得率はほぼ100%だったものの、石垣と名護、宮古島市の3市は育休を取得した男性職員が1人もいなかった。

 琉球新報は22日までに県や11市の職員を対象に匿名のアンケートも実施した。職員からは、総務・企画系の部署が激務のイメージがあることから、子育て中の女性が避けることや、福祉系の部署に女性が適しているという固定観念があるとの指摘があった。