沖縄科学技術大学院大学(OIST、恩納村)のピーター・グルース学長が22日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開催された県経営者協会の経営懇話会で、産学連携について講演した。スタートアップ(起業)の増加に向けて、投資専門家や企業と提携し、50億円規模のベンチャーファンドを組成する方針などを説明した。
グルース氏は、米国では新しい雇用の3分の2が、起業から5年未満の企業によって創出されているとして、「大企業は自動化を進めている。雇用を守りたいなら、起業が必要だ。スタートアップの雰囲気を沖縄に持ち込む必要がある」と強調した。
数社と提携し、OISTブランドのベンチャー支援ファンドの設立に向けて準備を進めているという。OIST関連のみならず、世界の革新的なスタートアップを対象に、100社程度への出資を想定する。「税制優遇などのインセンティブを与えて、沖縄にどんどん人を呼び込む必要がある」と話した。
OISTを核に、周辺地域に新産業の創出拠点を整備する「イノベーション・パーク」構想を紹介し、「研究と産業を融合させる商業ゾーン、居住ゾーン、一時滞在者が科学エンターテインメントを楽しめるコミュニティーゾーンを整備したい」などと話した。