沖縄戦の激戦地・糸満の土砂採掘は「遺族の思いを傷付ける」 デニー知事、全庁的に対応を検討


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県議会

 県議会2月定例会は25日、代表質問2日目が行われ、与党会派4議員が登壇した。沖縄戦の戦没者のものとみられる遺骨が見つかっている、糸満市米須での土砂採掘について、玉城デニー知事は「悲惨な戦争を体験した県民やご遺族の思いを傷付ける。慰霊の日に込められた県民の思いを強く国に伝えていかなくてはならない」と述べた。県として今後どのような対応が可能か全庁的に検討していく方針を示した。渡久地修氏(共産)に答えた。

 この地域で開発を模索する採掘業者が、県へ開発届け出書を出している件で、松田了環境部長は「記載内容に修正すべき点があったことから、現在補正指示をしている」と述べた。今後補正内容を確認し、風景の保全のため国定公園の開発を規制する「自然公園法第33条第2項に基づく命令等の発出が可能か検討する」とした。上里善清氏(沖縄・平和)への答弁。

 新型コロナウイルスの感染拡大による国の緊急事態宣言に伴い、影響緩和策として国が支給する「一時支援金」について、嘉数登商工労働部長は「県内でも旅客運送事業者、宿泊事業者、土産物小売店、旅行代理店、イベント事業者が対象になり得る」との認識を示し、事業者への周知やサポートに取り組む考えを示した。

 首里城地下の日本軍第32軍司令部壕の保存・公開について、名渡山晶子子ども生活福祉部長は「住民を巻き込んだ熾烈(しれつ)な沖縄戦の軍事的中枢を担ったことから、司令部壕が果たした役割などの歴史的事実を史実調査で検証し、沖縄戦の実相と教訓を次世代に継承することは重要だ」と述べた。具体的な計画は、専門家で構成する検討委員会の議論を踏まえ検討する。いずれも渡久地氏への答弁。

 金城賢知事公室長は「津波浸水想定および洪水浸水想定区域に立地している学校数は144校、児童施設は90施設だ」と明らかにした。玉城武光氏(共産)への答弁。