5年前に返還の沖縄・米軍北部訓練場、地権者に引き渡し後も廃棄物処理を継続 


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昨年11月に北部訓練場返還地から見つかった米軍が放棄したとみられる電子部品

 【東京】2016年に返還された、国頭村安田の米軍北部訓練場跡地での廃棄物の処理作業について、防衛省が作業を継続中であることが25日、分かった。防衛省が同日、衆議院予算委員会で屋良朝博衆院議員(立憲民主党)への答弁で明かした。周辺地域は、世界自然遺産の推薦地域に含まれており、屋良氏は「現状のままで大切な自然だと世界にアピールすることが可能なのか」と防衛省に早期の作業終了を求めた。

 防衛省によると、廃棄物は瓶や缶、プラスチックなどの混合ゴミ、テレビなど家電のほか、米軍が訓練に使用したとみられる大型鉄板や空砲類もあった。

 18年度には1360キロ分の産業廃棄物を処理し、19年度から本年度にかけて、大型鉄板計261枚、1万4670キロ、空砲類は約1万5千発を回収・処理したとしている。

 防衛省は、基地返還後の土地を所有者へ引き渡す前に、土地利用に支障となるものを除去する「支障除去」の作業を終えた上で、17年度末に地権者へ土地を引き渡していた。

 屋良氏は、作業終了後も、大型鉄板などの廃棄物が残っていたことについて「支障除去の作業としてはあまりにもずさん」と指摘。廃棄物の処理作業が継続中であるのかどうかを防衛省に確認した。防衛省は「途中のものもある」とし、今後の対応については「関係機関と連携し適切に対処する」と述べるにとどめ、作業の終了時期は明示しなかった。