石垣島で空から種まき ドローン使い負担軽減図る みやぎ米穀 


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 周子
種をまきながら水田の上を飛行するドローン=19日、石垣市平得

 【石垣】農業生産法人みやぎ米穀(石垣市、宮城翔伍社長)が、稲の育苗や田植え作業の負担軽減を図ろうと、農業用ドローンによる種まきを実験的に行っている。今期は0・5ヘクタールの水田に、ドローンで「ひとめぼれ」をじかまきする。生育状況や収穫量を見ながら改善を加え、今後、ドローンによる栽培面積を増やしたい考えだ。

 みやぎ米穀は2020年10月から農業用ドローンを導入。衛星利用測位システム(GPS)による自動飛行で、肥料や水田に有用な微生物の散布に活用してきた。重労働を伴う育苗・田植え作業にも導入しようと、今回の実証実験を始めた。

 同社によると、通常の田植えではビニールハウスなどでの苗の育成と、その後の水田への植え付けで1カ月半ほど掛かる。一方、同工程にドローンを導入することで育苗作業などを省けるようになるため、1週間ほどで作業が完了するという。

 育苗に使用する培養土が不要になるほか、通常2人は必要な植え付け作業が1人でできるなど、費用や人件費削減も図れるとしている。
 19日に、市平得にある0・3ヘクタールの水田でドローンによる種子のじかまきが初めて行われた。水田にきちんと植え付けられるように、事前に鉄粉をコーティングした種を散布。12~13分ほどで作業は終了した。田植機では通常、5時間程度かかる作業だという。

 ドローンを操縦した同社の宮城智一顧問は「農業はきついとのイメージが若い人にはあるが、ドローンを本格導入できれば、若い人の参入にもつながるのではないか」と期待を寄せた。