紙面で伝えたい「地道な努力」 喜屋武研伍(北部支社)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

written by 喜屋武研伍(北部支社報道部)

 本部町の海洋博公園内にある熱帯ドリームセンターで、約8万本のチューリップが咲き乱れる展示会を取材した。沖縄はチューリップには暖か過ぎるらしく、本州と比べて早く成長が止まってしまう。だが低くても同じ高さで咲きそろう姿は、身長が低い私と何だか似ているような気がして、いとおしく感じた。

鮮やかに咲き乱れるチューリップ=23日、本部町の熱帯ドリームセンター

 県内でチューリップを育てる場合、球根を冷蔵処理しなければならない。県内に合う品種を選ぶなど、試行錯誤を8年間続けてきたという。花をわが子のように大切に育ててきた担当者は、開花状況を聞いた記者の質問に「これまでで一番きれいに咲いている」と照れくさそうに答えていた。

 県内唯一、国内でも有数の研究機関などがある沖縄美ら島財団からは、週に多くて2回以上、ニュースリリースが届く。「日本初」の見出しも珍しくない。多くの職員が必死になって研究し育ててきた結果だ。

 コロナ禍で誘客につながる表現を極力避ける一方、紙面を彩りたいという思いで悩む日々が続いている。コロナ禍だからといって、イベントや研究に携わってきた人の思いも埋もれさせず、紙面で伝え続けたい。

(本部町、今帰仁村、伊江村担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。